逆流性食道炎とは?
逆流性食道炎とは胃酸が逆流して食道で炎症を起こす病気です。
胃から内容物が逆流しないように胃と食道の間には、下部食道括約筋が存在します。この下部食道括約筋は門番の働きをする筋肉であり、通常時には閉じています。この筋肉は食べ物を飲み込んだ時にだけ緩むことで食道から胃に食べ物を送ります。
ところが、逆流性食道炎の方は食べ物を飲み込むとき以外の間に下部食道括約筋が緩むことで
胃の中の胃酸が逆流が起こり、食道での炎症をもたらすことで胸やけなどのさまざまな症状を引き起こします。
逆流性食道炎の症状は?
- 胸焼け(空腹時や夜間時にも)
- 呑酸(胃の内容物が、胃から喉元まで上がってきて、再び下がること。口やのどに酸っぱい、あるいは苦い感じが込み上げてくる症状)*
- 胃もたれ
- ゲップ
上記のような症状が現れます。
胃もたれなどは機能性ディスペプシアでも出現します。
*https://www.onaka-kenko.com/glossary/index.html#donsan
原因はどんなものがあるの?
逆流性食道炎の原因は以下のようなものがあります。
①腹圧が上がることで逆流が起こりやすくなる
これは、肥満・前かがみの姿勢・食べ過ぎがお腹の圧力が高まることで食道への逆流に
つながります。
②下部食道括約筋の筋力低下
食べすぎや睡眠不足、*脂質の多い食事などは下部食道括約筋の筋力低下につながると
言われています。
*肥満と胃食道逆流症:大島忠之 三輪洋人 日本消化器病学会雑誌,118(6)2021
③胃酸の分泌増加
治療はどうしたらいいの?
薬物治療と生活指導に分かれます。
薬物治療
胃酸を抑えるお薬であるプロトンポンプ阻害薬が処方される場合があります。
生活指導
おもに肥満を防止することや胃酸を増やさないような食事指導などを行っていきます。
- 高脂肪食から低脂肪食への変更
- お腹を締め付けるようなベルトをしないようにすること
- アルコールや喫煙などを控える
- 腹八分目を意識する
- 食後すぐに横にならないこと
まとめ
逆流性食道炎は、胃の中のものが食道まで上がってくることで食道での炎症を引き起こし、胸やけや胃のもたれなどの不快な症状を引き起こします。これは加齢によるものもありますが普段の食事や姿勢などが大きく関わっています。
当院では逆流性食道炎の患者様に対して食事指導や姿勢改善などを行うことで症状の改善を目指します。